【こぼれ話】 がんばれ花岡選手アジア大会に向け順調な調整

 6月に行われた陸上競技日本選手権で、三段跳び(13m56)、走り幅跳び(6m55)の2種目に3連覇を達成した船橋出身の花岡麻帆選手(Office24)は、今秋韓国で開かれるアジア大会に向けて順調な仕上がりを見せている。
 7月の千葉県選手権大会では、三段跳びで13m05の大会新記録で優勝、また、100mでも11秒66で優勝。21日札幌・円山陸上競技場で開かれた、南部記念大会でも、走り幅跳びで大会新記録の6m59、三段跳びでも13m21(追い風参考)で2冠に輝いた。
 花岡選手は、小室中で佐藤武良先生(現前原中陸上部顧問)の指導を受けた。日本女子跳躍陣のトップに君臨しているが「先生自転車で10分で来ました」と7月7日白井市であった中学通信陸上競技千葉県大会の応援に駆けつけるなど気さくな人柄も魅力的な選手だ。海外遠征で一時体調を崩し、心配した佐藤先生に「どうしたんでしょうね」と笑顔で応えるほどに、今自信が漲っている。

氏名 花岡 麻帆
よみ はなおか まほ
所属 Office24
生年月日 1976/8/3
身長・体重・血液型 171・56・A
出身校 小室小学校小室中学校→成田高(千葉)→順大
種目・最高記録(年度) 走幅跳・6.82=NR(2001)
三段跳・14.04=NR(1999)


女子走り幅跳び決勝での花岡麻帆(はなおかまほ)

PROFILE
花岡 麻帆(25歳)
国:日本/Office24
生年月日:1976年8月3日
身長:171cm / 体重:56kg
●自己ベスト
種目  自己ベスト記録
走り幅跳び  6m82 ('01)日本選手権 日本新
三段跳び  14m04 ('99)日本選手権 日本記録
100m  12秒29('99)
7種競技  4842('94)
●主な成績
'01  日本選手権
   幅跳び 1位
   三段跳び 1位
'01  兵庫リレーカーニバル
   幅跳び 2位
'00  アジア選手権
   幅跳び 3位
   三段跳び 3位
'99  世界陸上
   未出場
'99  世界室内
   段跳び 13位
'99  ユニバーシアード
   幅跳び 9位
'98  日本選手権
   三段跳び 2位
'98  アジア選手権
   幅跳び 11位
'97  日本選手権
   幅跳び 4位
   三段跳び 2位
MEMO


■小学校ではミニバスケットボールの選手だった。中学でもバスケットを続けるつもりだったが、小学校5年6年と校内マラソン大会で優勝したことを知っていた陸上部の顧問に声をかけられ、陸上の世界へ。すぐに素質は花開き、中学1年の時、幅跳びで県大会2位に。幅跳びのほかに800mにも誘われたが、「800mは練習がきついから」という理由で断っている。

■高校時代は記録が伸びず初のスランプに陥る。しかも2年から3年にかけての冬は貧血で歩くのがやっとという状態になってしまい、毎日ウエイトトレーニングしか出来ず悶々とした日々を過ごした。
ところが、なぜか最終学年になると大ブレイク!初めて出場した日本選手権で高校生チャンピオンとなり、広島アジア大会の代表にも選ばれた。

■大学入学後も母校の先生に指導を仰ぐ為、週2〜3回成田まで通い、高校生たちと一緒に練習していた。98年、大学4年時に三段跳びの日本記録保持者となったが、高校時代から練習の拠点を地元千葉に置き、環境の変化がないことが好成績の秘訣となっている。

■99年の日本選手権三段跳びで14m04の大ジャンプを見せ、日本人初の14mジャンパーとなった。2000年は走り幅跳びで日本タイを二度マークした。

■大学卒業後は三英社に入社。しかし、昨年12月に陸上部が廃部となり退社をよぎなくされたが、今年4月に事務機器のレンタル会社「スクラム」へ再就職している。会社からは給料のほかに活動費も支給されているとか。

■4月に左足を負傷し、練習できないまま日本選手権へ出場。三段跳びで優勝したが、B標準を切れなかったため、コーチと高校の後輩に「これ以上努力しても無理。限界かも。」と弱音を吐いた。しかし、後輩に弱い自分をさらけ出したことで肩の力が抜け、幅跳びでは6m82の大記録を出す。
父親の前で記録を出せたことが非常に嬉しかったそうだ。

■今は自分を高める方法を思案中で、「1人で海外遠征するには英語も必要だし、出来ればパソコン教室にも通いたい」と言っている。